· 

FK10P V2 10cm スピーカーの製作

FK10P V2 スピーカーの製作
FK10P V2 スピーカーの製作

使用するスピーカーユニットは Fostex とコイズミ無線のコラボで作られた口径 10cm のダブルコーンスピーカーです。Fs は 74Hz で高い方は 35kHz まで伸びでいます。4Kz ~ 15kHz あたりの出力が高めです。

まずボックスの設計をします。sped を使って気に入る周波数特性になるように設計します。ボックスの幅、奥行、高さやポートの直径・長さをシミュレーションして一番気に入ったものにします。今回はこの設計図に従って製作することにします。

低域は 50Hz までフラット、-10dB までだと 37Hz くらいまで再生できる計算になります。ちょっと低音の伸びを欲張ったボックスにしてみます。

FK10P V2 スピーカーの製作
FK10P V2 スピーカーの製作

材料を揃えます。これは1台分です。板はアカシア集成材です。ホームセンターで買ってカットもしてもらいました。ポートはΦ50mm の紙パイプを使いました。所定の長さに切ってもう接着してあります。

ポートの出口とユニット開口部の後ろ側はルーターで面取りをしてあります。同様に側板の前部になるところも面取りしてあります。

あとは接着して箱に組上げます。

FK10P V2 スピーカーの製作
FK10P V2 スピーカーの製作

ボックスの組み立て途中の様子です。第2空気室は組み立てた後では手が入らないので吸音材も忘れずに入れておきます。今回は底面全体と裏面の 2/3 に入れました。

この後はもう一方の側板を木工ボンドで接着したら完成です。重しをしてボンドが固まるまで待ちます。

FK10P V2 スピーカーの製作
FK10P V2 スピーカーの製作

組み立てが終わりました。スピーカーユニットとスピーカー端子の取付箇所には下穴を開けてあります。

この後サンドペーパーをかけて塗装をします。サンドペーパーは 100番と 180番で行いました。塗装はラッカースプーレーのクリアを使いました。3度塗り重ねました。 300ml の缶を1本と少し使いました。風が強めでスプレーが飛ばされてしまったから多く使ったのだと思います。

FK10P V2 スピーカーの製作
FK10P V2 スピーカーの製作

スピーカーと端子を配線して取り付ければ完成です。

どんな音が出てくるのかワクワクします。アンプに繋いで音楽をかけてみます。「なんじゃこりゃ」って感じで高音ばかり目立って低音が前に出てこないぞ。元々ユニットの周波数特性は 200Hz から下が少しずつ落ちている特性ではありますが。

そこで第1空気室へ吸音材を追加して中仕切板以外の部分に取り付けました。これで少しは高音が吸収されて落ち着いた音になるでしょう。でもまだ高音が目立ちます。

エッジを見るとゴム製です。ゴムのエッジはしばらく音楽をかけてエージングが進むと柔らかくなって低音が出るようになります。少し音楽をかけて時間の経つのを待つことにします。

半日ほど音楽をかけっぱなしにしているとだんだんと低音が前に出てきました。「これなら結構いいじゃん」って感じです。


FK10P V2 スピーカーの製作
FK10P V2 スピーカーの製作

エージングを始めてから丸4日が経過しました。音の出方は随分と良くなりました。シャカシャカしていた高音が落ち着いてきて耳につかなくなりました。中音部は滑らかになったように思います。最も変わったのが低音の出方です。量感が出て迫力が増しました。全体に狙った通りの周波数特性になってきたと感じます。

なおこの時に注意することはアンプのボリューム位置です。12時から14時くらいでちょうどよい音量になるようにPCの出力レベルを下げることです。そうしないとアンプの入力インピーダンスの関係で低音が出にくくなります。

私の好みはスムース・ジャズをネットラジオなどで聴くことです。このスピーカーなら心地よく聴けます。また感度が良いので小出力の真空管アンプでも十分な音量が出ます。私は EL34 を Ultra-Liner 接続にしたシングルアンプで聴いています。実用出力は 7+7 W です。これでもボリュームが中央付近で十分な音量が出ます。

ということで、この章を締めたいと思います。